自律神経とホルモンバランスの関連性を探る
自律神経とホルモンバランスには、密接な関連性があるといえます。
何故なら、自律神経をつかさどる脳の視床下部は、ホルモン(内分泌)の中枢部分でもあるからです。
脳の視床下部の下には、脳下垂体があります。そして、視床下部は脳下垂体にある指令を下しています…「ホルモンの分泌指令・ホルモン分泌量の調整指令」…
その指令を受け、脳下垂体は「成長ホルモン・甲状腺刺激ホルモン・乳腺刺激ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン・性腺刺激ホルモン」等々のホルモンを分泌します。
言うなれば、視床下部は脳下垂体を支配しているのです。
しかし視床下部と脳下垂体には、奇妙な関係が見え隠れします。確かに視床下部が脳下垂体を支配しているように見えますが…脳下垂体から分泌されたホルモンによって、視床下部自体(自立神経)が様々な影響を受けているからです。
実はホルモンバランスが乱れれば、自律神経の乱れに繋がり…自律神経が乱れれば、ホルモンバランスが乱れるのです(=自律神経失調症)。
その最たるホルモンが、女性ホルモンです。
・女性ホルモンが乱れる→月経の周期が不規則になる(=妊娠・出産・更年期・閉経))→自律神経が乱れる…
(女性が男性より自律神経失調症を多く発症するのは、ホルモン内分泌の変化が多いことが挙げられます。)
・自律神経が乱れる→ホルモンバランスが乱れる→ストレスホルモンを過度に分泌→身体全体のバランス(防御能力)が低下する…
このように自律神経とホルモン(バランス)は、どちらかが悪くなるともう一方も悪くなってしまうのです(=密接な関連性)。
私たちの身体の重要な役割を担っているホルモン…ホルモン内分泌には、未だに解明されていないことが多くあります。そうした中、ホルモンには情報伝達を行う神経伝達物質としての役割があることがわかっています。
そして自立神経にも、ホルモンと同じような役割をするものがあるのではないかといわれているのです。
自律神経とホルモン…視床下部と脳下垂体…両者はお互いに影響を与えながらバランスを取り合うことで、私たちの生活バランスを保ってくれているのです。
様々に変化する世間の環境・体内の体調に対応し、ホメオスターシス(生体恒常性)を保ち続けることができるには、ホルモン内分泌が必要不可欠なのです。