自律神経失調症とよく似た症状
自律神経失調症は精神的変調だけでなく、身体的変調をも発症する疾病です。その疾病の多さ故に、専門医でさえ診断を間違えることさえあるといわれます。
そうした自律神経失調症とよく似た疾病には、どのようなものがあるのでしょうか。
○メニエール病…
メニエール病は、内耳の変調によって「回転性のめまい(グルグル回る)」「吐き気」を引き起こす症状をいいます。つまり内耳の中にリンパ液が溜まることで、聴覚や平衡感覚に異常をきたす疾病なのです。そして、「耳鳴り」「めまい」といった症状から、自律神経失調症の症状とよく似ているともいわれています。しかし、メニエール病を発症する原因は、未だに解明されていません。疾病症状が内耳に限られているようであれば、耳鼻科での診察を受診するべきだと思います。
○バセドー病…
バセドー病とは血液中に甲状腺を攻撃する物質ができることで、甲状腺機能が異常→身体中に様々な症状が表れる疾病です。その顕著な症状として…精神的症状=落ち着きが無くなり、イライラ不安がつのる/睡眠障害を起こし、食欲が増していても体重が減少することも…身体的症状=常にジョギングをしているような状態に陥ります。動悸が激しい/脈拍が速い/多汗症/微熱が続くことも…また表面的には、目つきが険しくなる/眼球突出等々の症状が出てきます。このような症状から、自律神経失調症と非常によく似ているといわれています。しかしバセドー病の場合、血液検査によってわかることが多いといわれています。
○貧血…
実は、貧血も自律神経失調症とよく似ている症状といわれています。貧血の場合、身体的症状(=動悸や息切れ/身体がだるい/頭痛や肩こり等々)が急激に発症するわけではありません。しかし身体全体に変調が及ぶため、自律神経失調症が原因ではないかと謝ってしまう場合が多いといわれています。ちなみに貧血の原因は、酸素欠病によって発症するものです。
○糖尿病…
「喉が異様に乾く/水分の過剰摂取/尿の回数が増える」…この症状が、初期の糖尿病の表れだといわれています。そして精神的初期症状として、常に身体がだるく感じ、疲れやすくなります。糖尿病の場合も、こうした身体的症状が似ていることで自律神経失調症と間違われやすいようです。
このように自律神経失調症とよく似た疾病は多種多様に及びますが、それぞれの症状をよく見極めたうえで診断が行われなければ、のちのち重篤な症状を発症する場合もあることを忘れてはいけません。