自律神経失調症の原因~生活の乱れ&環境の変化~
今まで自律神経失調を発症する原因を、様々な観点から考えてみました。ここでは私たちの生活&環境が、どれほど自律神経失調症の原因(=誘因)になっているのか、詳しく触れてみます。
○生活習慣の乱れ…
よくドラマの冒頭で、「眠らない街:東京」というフレーズが使われています。事実、大都会の様相は完全に夜型に移行しています。当然、労働環境も昼夜交代制・夜間勤務等々=24時間体制で業務をこなしています。こうした生活環境は、完全に自然のリズムにそぐわない生活になってしまっているといえます。
しかし生活環境が変化しても、何も変わっていないものもあります。それは、私たちの体内環境です。つまり私たちが生まれながらにして持っている自律神経の機能は、昔と同じように時(とき)を刻んでいるのです。
・朝目覚め、昼間に活動する=交感神経が働く…
・夜の就寝時間=副交感神経が働く…
例えば夜更かしを(=徹夜)しても、その期間が一時的なものであれば自律神経はバランスを保つことができます。しかし長期間に及び、昼と夜の生活が逆転すれば、必ず自律神経はバランスに支障をきたします(=自律神経失調症)。
それだけではありません。交感神経と副交感神経が入れ替わる時間帯(早朝・深夜)に、狭心症や不整脈を発症することもあるのです。
[生活習慣の乱れ→夜活動型→自律神経失調症を発症しやすくなる→様々な病気が重なって、寿命も短くなる。]
○環境の変化…
私たちを取り巻く社会環境は、年々凄まじい勢いで変化しています(社会環境=情勢の国際化・高齢化・核家族化・少子化等々)。そして私たちは、そうした身体的・精神的に対する内外の環境変化に、十分対応しきれていない状況にあります。
そして対応しきれていない人たちは、次第にストレスを抱え込むようになります。そうです…環境の変化が自律神経失調を生み出したといっても過言ではないのです。
環境の変化は、それだけに留まりません。
交通の利便性・生活空間の完備等々、すべての面において楽になった現在、私たち人間は自ら身体を動かすという行為が減りつつあります。つまり環境全体に対する適応能力が低下し、精神のコントロールを抑制しきれない人間が増えているのです。
(精神のコントロール…人付き合いが苦手・イジメの対象にも…)
ときに環境の変化は、個々の環境適応能力を奪う…このことも自律神経失調を発症する人が、増えている要因だと考えられます。