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自律神経失調症と薬物療法

心因性の病気には、様々な症状のものがあります。そしてその病気の中でもここ数年、急増している病気があります。それが自律神経失調症です。
自律神経失調症の治療法には、民間療法・薬物療法・心理療法・生活改善法等々といった様々なものがあります。
そして自律神経失調症を発症した場合、最初に行われる治療法=薬物療法だと思います。
もちろん薬物療法の目的は、自律神経失調症の症状を和らげることにあります(=対症療法)。
では自律神経失調症に使われる薬には、どのような種類があるのでしょうか。

○抗不安薬(精神安定剤)…
抗不安薬(精神安定剤)=マイナートランキライザー(弱力精神安定剤)とも呼ばれています。抗不安薬は脳の視床下部に働きかけることで、心身の緊張を和らげる・精神状態を穏やかにする→そして、自律神経自体を安定させる作用を持っています。また身体的症状として、頭痛・めまい・動悸・息切れ・ふらつき・のぼせ等々に効果があります。

○自律神経調整薬…
自律神経調整薬も視床下部に直接働きかけることで、交感神経・副交感神経のバランスを整える作用があります。ただし抗不安薬と比べると、効果は穏やかだといえます(=効き目が低い)。

○抗うつ薬…
抗うつ薬は、神経症・不安症等々といった気分障害を緩和する治療薬です。抗うつ薬の場合、すぐに効果が期待できるものではありません。数ヵ月~数年間、処方することで自律神経失調症が改善されていきます。

このように、心因性の薬物も数多くの種類があります。そしてそうした薬物療法で、最も注意しなければならないことがあります。
~医師の指示通りに薬を服用することです~…何故、それほどまで医師の指示が絶対的なのでしょうか。
○それぞれの薬に対する用量・用法を守らなければ、期待できる効果が発揮されません。
○それぞれの薬には即効性のものもあれば、徐々に効いてくるものもあります。仮に「まったく効果がない」と自己判断で用量・用法を勝手に変更してしまうと、副作用を伴うこともあります。
○症状が改善されたからといって、急に薬を止めてしまう人がいます。それは非常に危険です。薬を処方する前よりも、激しい心因性を発症する可能性があります。医師から処方された薬は、医師が「止めてもいいです」と言うまで、服用し続けなければなりません。
心因性の薬物は身体的薬物と違い、「処方する→すぐに効果がある」ものでもありません。もちろん、処方を間違えると副作用の恐れも考えられます。
そして心因性の薬物の場合、中途半端な治療をしてしまうと…逆に症状を長引かせることになります。
そうならないためにも医師の指示に従い、きちんと服用することが重要なのです