自律神経失調症とその他の治療法
前項でも少し触れましたが…自律神経失調症の治療には、薬物療法・心理療法・生活改善法等々の対症療法があります。
この対症療法とは、どのような療法を指すのでしょうか。
普通、患者様の病気を治療する場合、病気の原因に対して治療します(=原因療法)。対症療法の場合、病気の症状として発症してきたことに対して、治療を行うことをいいます。
(例えば、胃潰瘍で微熱が続いているとします。胃潰瘍に直接治療をする=原因療法に対して、胃潰瘍の二次的病気である微熱に対して治療=対症療法といいます。)
では自律神経失調症の場合、上記で明記したこと以外にどのような療法があるのでしょうか。
○音楽療法…
私たちは自分の好きな音楽を聴くと、心穏やかになります。音楽療法はそうした作用を取り入れることで、心身の疲労や回復・身体全体の機能改善・生活環境の向上等々を目指しています。事実、音楽を聴くと脳からアルファ波を放出→心身がリラックス→副交感神経が正常に働き始める→心拍数も減少し、呼吸/脈拍も落ち着く→免疫力/代謝率がアップすることがわかっています。また音楽療法では「音楽を聴く」以外に、「自分自身で楽器を演奏する」ことでも心身がリラックスすることもわかっています。
○アロマセラピー…
アロマの香りは、若い女性に非常に親しまれています。アロマセラピーは音楽療法同様、心身をリラックスさせる効果があるといわれています。実際、古代の人々はラベンダー・ローズマリーといった植物の芳香物質を抽出することで、病気の治療に役立てていたといいます。アロマセラピーの活用方法として、「アロマオイルを熱して、部屋に香りを充満させる」「アロマ成分を含んだキャンドルを付ける」「浴槽にアロマエッセンスを垂らす」「ハーブティを楽しむ」等々が挙げられます。
○自己暗示法…
自律神経失調症の場合、どうしてもマイナスのイメージを想像してしまう傾向にあります(マイナスのイメージ=不安・恐怖・諦め・劣等感・心配事など))。自己暗示法はすべての面において、プラス思考の考え方を自分自身の潜在意識の中に植え付ける療法です(=自律訓練法)。確かに潜在意識にある自分自身の感情を、すべて変えることができるわけではありません。しかし、10%でも今の潜在意識をプラスに変更できれば、必ず自律神経失調症の改善に繋がるといわれています。また基本的に、自己暗示法は心因を拭い去ることを目的としています。自己暗示法をする前に、カウンセリングや催眠療法等々で、改めてその心因性を探っておくことも必要です。
自律神経失調症には、様々な治療法があります。中には、少々疑わしい対症療法もあるかもしれません。しかしこうした様々な対症療法を知ることによって、更なる自律神経失調症の改善に繋がると信じています。