自律神経失調症の種類
「心の病」「精神的に病んでいる」等々、様々な表現方法がなされる自律神経失調症…
しかし自律神経失調症の中にも、「体質遺伝=始めから自律神経の調整機能が上手く働かない」「虚弱体質」等々、精神的部分を原因としない自律神経失調症もあります(=本能性型自律神経失調症)。
ここでは精神的部分を原因としない自律神経失調症を含め、4つのタイプについて触れてみたいと思います。
○心身症型自律神経失調症…
不定愁訴(身体の至る部分に変調をきたすが、原因がはっきりわからない)を中心に発症する症状を、心身症型自律神経失調症といいます。自律神経失調症の約50%が、心身症型自律神経失調症だといわれています。心身症型自律神経失調症の場合、日常生活におけるストレスが原因となっています。完璧主義者・一生懸命に物事を考え過ぎる人等々、必要以上に他人に合わせてしまう(=過剰適応)タイプに多くみられます。喜怒哀楽…自分の感情をストレートに吐き出すことができないことが、ストレスや疲労に繋がり…結果として自律神経に変調をもたらします。
○神経症型自律神経失調症…
一言でいうなら神経症型自律神経失調症は、「自律神経失調症+神経症」が合併したような症状だといえます。根本的な内在する性格として、「何かしら、いつも不安に駆られている」(=神経質・物事に対して過敏・周囲の状況に馴染めない)の傾向があります。また神経症型自律神経失調症の場合、潜在的に「病気であることを望む」傾向も見受けられます。そして神経症型自律神経失調症は自律神経失調症と神経症の境界線が曖昧であるため、判断基準が難しい症状であるともいえます。
(神経症=精神的葛藤(不安)から生じたわだかまりを処理しきれず、心身の機能障害を発症する症状。自律神経失調症より、軽度だと考えられています。)
○抑うつ型自律神経失調症…
精神的落ち込み・抑うつ(気分が晴れない)等々の症状を、抑うつ型自律神経失調症といいます。抑うつ型自律神経失調症の場合、精神的要素だけなら判断し易いのですが、身体的疾病も重なることで判明しにくくなる可能性もあります。しかも抑うつ型自律神経失調症であることに気付かず放っておくと、うつ病に発展することもあります。また抑うつ型自律神経失調症を性格に例えるなら、几帳面・執着心が強い・完全主義者等々の傾向が見受けられます。
○本態性型自律神経失調症…
生まれ持って(遺伝)、自律神経の調節機能が低い・虚弱体質・体力に自身がない人等々の傾向にある人が、本態性型自律神経失調症を発症すると考えられています。また自律神経失調全体の約5%が、本態性型自律神経失調症だといわれています。
このように、自律神経失調にも様々な種類があるのです。そして早く治癒するためにも、1人で悩まないことが先決です。自分自身に上記で示したような症状が感じられるようであれば、まずは専門医で受診することが大事だといえます。