自律神経失調症とは?
最近、新聞紙面でも、この言葉を良く見聞するようになってきました。それは自律神経失調です。「聞いたことはあるけど、一体どのような病気なのだろう。」…案外、知られているようで知られていないのが、自律神経失調症なのかもしれません。
○自律神経失調症…
一言でいうと、「身体の体調がすぐれないにも拘わらず、何故かはっきりした原因がわからない」…これが自律神経失調症の難しいところでもあります。
例えば身体がやけにダルいと感じて、病院に行ったとします。そして、病院で隅々まで検査したとします。しかし、診断結果は「異常なし」…
つまり、不規則な生活習慣/精神的、及び肉体的ストレス等々の原因によって、私たちの身体のバランスを保っているホメオスターシス(生体恒常性)が、自律神経のバランスの乱れによって身体に様々な疾病を発症する症状をいいます(=精神的な疾病)。
そうした目に表れにくい疾病を発症する自律神経失調症は、具体的にどのような症状を引き起こすのでしょうか。
自律神経失調症の場合、自律神経が様々な器官に関係しているため、個人によってその症状の出方は千差万別です。
(また遺伝体質・性格などによっても、症状はマチマチです。)
~身体が疲れやすい・倦怠感が抜けきらない・常に動悸や息切れを感じる・首痛や肩こり・腰痛・頭痛による睡眠不足・精神的落ち込み・食欲が無くなる・吐き気やめまいが絶えず起こる等々~
このような症状が多岐に渡って発症するため…そして、自律神経失調症の定義も様々な考え方があるため、自律神経失調症かどうかの診断基準は非常に難しいとされているのです。
そして疾病原因がまったくわからない場合、得てして「自律神経失調症」と診断されることも往々にしてあります。
(違う観点から検査をすれば、本当の疾病原因が判明するにも拘わらず…)
また自律神経失調症のように、「はっきりした原因がわからないにも拘わらず、身体に様々な不調が出る。」ことを、不定愁訴(ふていしゅうそ)といいます。
自律神経失調症の場合、字の如く精神的症状だけが発症するわけではありません。身体的症状だけ発症する場合もあれば、精神的症状と身体的症状が同時に発症…とにかく、様々な疾病状態を発症することが自律神経失調症なのです。
実際、日本心身医学会では自律神経失調症を次のように定義付けています。
…「検査をしても、その症状を裏付ける所見が見出されず、また器質的病変がないのにさまざまな不定愁訴を訴える状態」…